窓の比較 YKK AP エピソード2NEOとLIXIL サーモスLの違い

アルミ樹脂複合サッシ窓は樹脂サッシ窓よりも断熱性能が低い

YKK APでは、高性能樹脂窓「APW 330」や高性能トリプルガラス樹脂窓「APW 430」など、これまで樹脂窓を基軸に高断熱窓化を推進していますが、今も日本の住宅で採用されている窓の多くはアルミ樹脂複合サッシの窓です。

アルミ樹脂複合サッシと聞くとサッシの半分がアルミで半分が樹脂のような印象を受けますが、後ほど画像を紹介しますがほぼアルミでほんのわずかに樹脂が使われているというのは今主流なアルミ樹脂複合サッシです。アルミサッシというのは窓枠がアルミということなので、もし外が冬で冷えている場合には、缶ジュースの冷たいを買った時のように窓枠がキンキンに冷えます。樹脂サッシの場合はイメージとしてはペットボトルを買った時みたいなものなので自動販売機で冷たいジュースを買ったとしても持つところはキンキンには冷えていないというような感じかと思います。

このような違いがあるので、アルミの比率が高いアルミ樹脂複合サッシの場合には熱を通しやすく外が暑ければ暑くなりますし外が寒ければ部屋の中まで寒くなるということになりやすいのです。

YKK AP エピソード2NEOとLIXIL サーモスLの違い

アルミ樹脂複合サッシについて選択する場合には、YKK AP のエピソード2 NEO を採用するかもしくは LIXIL のサーモス L を採用するかという二択になることが多いかと思います。ハウスメーカーや工務店の標準仕様や取引の状況によってはどちらか一方が提案されるかと思います。両方選べる場合に、どちらの方が断熱性能が高いのかということを結論から伝えますと、私がいろいろ調べた結果数値上どちらもほぼ同じです。また、建築士の方に両方の窓の場合のUA値をそれぞれ出してもらいましたが、その結果でもほぼ差がありませんでした。

YKK AP エピソード2NEO

熱還流率は、Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)の組み合わせで熱貫流率2.33〔W/㎡・K〕となっています。

YKK AP エピソードⅡ NEO

めちゃめちゃわかりにくいところなのですが、YKK AP エピソードⅡ NEOの中にも何種類かあり、上記と微妙に構造が異なっているものもあります。樹脂の部分の覆い方などが異なっています。

LIXIL サーモスL

LIXIL サーモスLの場合も、Low-E複層ガラスで熱還流率は3.49〔W/㎡・K〕です、LIXIL サーモスLの場合には、YKKAPと比べてフレームがスリムになっていてガラスの範囲が広いので、枠がない分意匠性が高いのが特徴化と思います。

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サーモスⅡ-HとサーモスLは別物なので注意

サーモス L の場合もすごく分かりにくいのですが、 LIXIL のホームページで紹介されているのはサーモス L の紹介はほぼ無くサーモスⅡ-Hの紹介が中心です。あたかもサーモスLも同じかのごとく記載されていますが、サーモスⅡ-Hは値段も高くLに比べると性能が高いです。構造も異なっていて、サーモスⅡ-Hにはサーマルブレイク構造が採用されているので、以下の図の黄色いところで外側と内側の熱を止めていることがわかります。

サーモスⅡ-Hと防火戸FG-Hのブリッジ枠は、優れた防露性でカビ・ダニの発生を抑制。

予算の関係でアルミ樹脂複合サッシを選ばざるを得ない場合

樹脂サッシの方が断熱性能がいいことはわかっていても、家を建てるときには予算の問題もあるので費用面でアルミ樹脂複合サッシを選ばざるを得ない場合も出てくると思います。いまだに多くのハウスメーカーや工務店がアルミ樹脂複合サッシの窓を標準仕様としているケースが多いです。樹脂サッシの窓に変えようとするとオプション扱いになるので差額が大きく発生します。

アルミ樹脂複合サッシ窓とは樹脂サッシ窓の差額

アルミ樹脂複合サッシの窓が標準仕様のハウスメーカーの場合、家全体の窓を全てオークションで樹脂サッシの窓に変更した場合には50万円以上の差額が発生するケースが多いようです。

注文住宅なら大きな窓だけ樹脂サッシという選択もできる

アルミ樹脂複合サッシの窓と樹脂サッシの窓では大きな差額が発生するということを紹介しましたが、これが注文住宅の場合には指定したばたけオプションの樹脂サッシの窓にしてそれ以外は標準のアルミ樹脂複合サッシの窓を採用すると言う選択肢も出てきます。これが注文住宅の良いところだと思いますが、建売だと全てがメーカーが指定した仕様で統一されてしまっていますが、注文住宅の場合には一つひとつの窓の場所やサイズ、どんな窓を使うかまで注文ができるので、例えば大きな掃き出し窓、引き違い窓は熱が逃げやすく特に断熱性能が低くなるので、この窓だけを樹脂サッシを使用した窓に変更するということも可能となります。

アルミ樹脂複合サッシの窓が標準仕様の住宅メーカーや工務店の場合であれば、このように特に熱が逃げやすい部分だけ性能が高い窓を採用しそれ以外は標準仕様のままということが最もコストパフォーマンスが高い注文の仕方になるかと思います。家全体の窓を全て樹脂サッシに変える場合には50万円以上の差額が発生していましたが、例えば3箇所の窓だけ樹脂サッシに変えるというだけであれば数十万円の差額で済む可能性があります。

アルミ樹脂複合サッシの窓だとしても滑り出し窓は元々断熱性が高い

日本の昔からの住宅であれば引き違い窓という窓の形が一般的でしたが、現在は縦すべり窓横すべり窓といったデザインもよく元々の断熱性能も高い窓が採用されることも増えてきています。

引き違い窓という形は窓枠が思いっきり外気に触れる状態にあるのに対し、すべり出し窓の場合にはサッシの部分が窓枠に重なるような形になっているので熱を通しやすい窓枠の範囲が狭くなっていて引き違い窓に比べるともともとの断熱性能が高いです。

そのため、コストパフォーマンスで考えると、すべり出し窓の場合には樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの断熱性能の差は小さいので、引き違い窓だけを樹脂サッシに変える方がお得に断熱性能を高めることができます。

エピソード2NEOとサーモスLは似たり寄ったり。心配な場合には部分的に樹脂窓を

ここまで紹介してきましたようにアルミ樹脂複合サッシの代表格であるエピソード2NEOとサーモスLは似たり寄ったりです。どちらを選んだとしてもアルミサッシの窓に比べれば性能は高くなっていると思います。とはいってもほとんどアルミで、内側の部分に薄い樹脂の部分があるというだけですので、サッシのフレーム部分も全部樹脂の窓に比べれば性能が下がってしまうのは確実です。このような状態なので、もし注文住宅で窓の種類を選べる場合には、大きな窓だけは樹脂サッシにして小さい窓などはそんなに影響がないので標準のままのアルミ樹脂複合サッシという形が最もコスパが高く予算を抑えて家を作るテクニックになるのではないかと思います。

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