UA値は意味ある?熱の逃げにくい設計 0.4W/m2K以下が最低ライン!
住宅の快適さや省エネ性能を左右する重要な要素に、UA値という指標があります。このUA値は、住宅の熱の逃げにくさを示す数値で、高性能な住宅ほど低い数値を記録します。しかし、このUA値が実際にどのような意味を持ち、住宅選びにおいてどのような影響を与えるのかを解説します。

UA値とは何か?

UA値(外皮平均熱貫流率)は、建物の外皮部分がどれだけ熱を逃がしにくいかを示す指標です。具体的には、壁や窓、屋根などの建物を構成する部材の熱の流れやすさを数値化したもので、この値が低いほど、熱の損失が少ないことを意味します。これは、冷暖房の効率を高め、エネルギー消費を抑えるための重要な指標とされています。

UA値の計算方法と基準

UA値は、建物の各部位の熱貫流率(U値)とその面積をもとに計算されます。そして、この値は建築基準法や省エネ法に基づいて、各地域の気候条件に適した基準値が設定されています。新築住宅を建設する際には、これらの基準値を満たす必要があり、高い断熱性能が求められます。

UA値の基準値 長期優良住宅の基準を満たすには0.4W/m2K以下

UA値、すなわち外皮平均熱貫流率は、住宅の断熱性能を示す重要な指標であり、その数値はエネルギーの効率的な使用に直結しています。このUA値には、地域ごとに設定された「基準値」が存在し、これを満たすことが新築住宅の建築において求められます。 具体的な数値としては、例えば北海道地域では、一般的な住宅で0.46W/m2K以下が基準とされています。これに対し、四国や九州地方では0.87W/m2K以下と、気候の違いによる暖房や冷房のニーズの差が反映された基準値が設定されています。 また、これらの数値は、長期優良住宅の基準とも連動しており、例えば長期優良住宅の基準を満たすためには、一般的な住宅の基準値よりもさらに厳しい、0.4W/m2K以下(北海道地域の場合)を達成する必要があります。 これらの基準値の設定は、住宅のエネルギー効率を高め、CO2排出量の削減に寄与するだけでなく、住居者の快適性や健康を守るためにも重要です。特に、冬の寒さが厳しい地域や夏の暑さが厳しい地域では、適切なUA値の達成が、快適な室内環境の維持に不可欠であると言えるでしょう。

UA値が低い住宅の深刻なデメリット

UA値が低い住宅は、夏の暑さや冬の寒さを効果的にシャットアウトします。これにより、室内の温度が一定に保たれ、冷暖房費が削減されるというメリットがあります。また、快適な室内環境は健康面にも良い影響をもたらし、特に高齢者や小さな子供がいる家庭にとっては、大きな安心材料となります。

ヒートショックで倒れるリスクも

UA値が低く、室内の温度差が大きい住宅の場合には冬などには気温差によりお風呂などで急に体が冷えたり、お湯につかって温まったりして体がびっくりしてしまう「ヒートショック」のリスクも高まります。 ヒートショックの症状とは?予防・対策や起きたらどうするか

結露やカビが発生、アレルギーや呼吸器疾患になるリスクも

UA値が低い住宅の場合、室内と室外の温度差が大きくなるため、窓枠や壁の中などに結露がたまり、カビが発生したり、呼吸器やアレルギーの病気にかかったりしやすくなる可能性があります。

結露の原因は飽和水蒸気量から考える

飽和水蒸気量とは、ある温度の空気が最大限に保持できる水蒸気の量のことを指します。温度が上がると、空気が保持できる水蒸気の量も増えます。つまり、暖かい空気は多くの水蒸気を含むことができます。 逆に、温度が下がると空気が保持できる水蒸気の量は減ります。このとき、空気中の水蒸気量が飽和水蒸気量を超えている場合、余分な水蒸気は液体の水となり、これが結露として現れるのです。
湿度が何パーセントと言われて「へ~」となんとなく聞き流していしまいますが、そもそも湿度とはどんな値なのか一緒に考えてみましょう。 空気中には水が気体としていられる量に制限があります。これを「飽和水蒸気量」と言います。 例えば、気温が20℃の空気、1立方メートルには水が17.2グラムまで水蒸気として存在できます。20℃の場合には、17.2グラムを超えた分は液体の水にならざる得ないという事です。 飽和水蒸気量 湿度とは 飽和水蒸気量と気温の関係から冬の乾燥と加湿を考える(介護健康福祉のお役立ち通信)

そもそも結露が発生するのは家や窓の断熱性に問題がある

この記事では結露テープ剥がし方について紹介してきましたが、そもそも結露が発生するのはこの記事で紹介したように気温の差が原因です。家の断熱性能や窓の断熱性能が結露の原因です。すでに建ててしまった家の窓を取り替えることは難しいですが、今は二重窓にするなどのリフォームも流行っていますのでそもそも結露が発生しないようにすることを考えた方が現実的です。 参考:UA値は意味ある?熱の逃げにくい設計 0.4W/m2K以下が最低ライン! 参考:あなたの窓が結露する理由とその解決策、補助金も使える!  

UA値を考慮した住宅選び

住宅を購入または建築する際には、UA値を重要な判断材料の一つとして考慮することが推奨されます。エネルギー効率の高い家は、長期的に見て経済的であり、環境にも優しい選択と言えるでしょう。また、将来的には住宅の市場価値にも影響を与える可能性があるため、投資としても賢い選択となります。

まとめ

UA値は、住宅の熱効率を示す重要な指標です。低いUA値は、快適な生活環境と省エネ性の両方を実現するため、住宅選びにおいて重要な要素となります。これから住宅を建てる際や購入を検討する際には、UA値をチェックし、長期的な視点で最適な選択をすることが大切です。

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