位置指定道路に関する法律(建築基準法第42条第1項第5号道路)

日本の都市計画と建築に関する規定は複雑であり、それらを理解し適切に適用することは非常に重要です。特に、「位置指定道路」に関する法律は、土地利用や建築活動に直接的な影響を及ぼします。本記事では、この「位置指定道路」に関する法律について、その内容、適用、そして法律が私たちの生活にどのような影響を及ぼすのかについて詳しく解説します。これは、「建築基準法第42条第1項第5号道路」として法令に明記されているもので、都市の計画、開発、そして美観に関わる重要な要素です。この記事を通じて、その法的枠組みと具体的な適用方法を理解し、都市計画と建築に対する理解を深めていただければ幸いです。

位置指定道路に関する建築基準法の前提

建築基準法にも位置指定道路に関連する規定があります。特に、道路に面した敷地での建築物の建築許可の基準や、建築後の変更についての規定が関連します。

以下に、建築基準法の一部の主要な規定を挙げてみます。

建築基準法 第36条 - この条文は建築物の敷地の規定を定めており、建築物の建設に際しては、その敷地が道路に接しているか、一定の距離内で接しているかなど、一定の条件を満たさなければならないと規定しています。ここでの「道路」には位置指定道路も含まれます。

建築基準法 第53条 - この条文は建築確認に関する規定であり、建築確認を申請する際には、その建築物が道路に対して適切に位置していることが求められます。位置指定道路に面した敷地での建築計画の場合、これらの規定が適用されるでしょう。

建築基準法は、建築物の安全性を確保することを目的としており、位置指定道路を含む道路に面した敷地での建築に関する多くの要件を設けています。そのため、建築計画を進める際には、都市計画法だけでなく建築基準法の規定も遵守する必要があります。

建築基準法第42条第1項第5号道路とは

建築基準法第42条第1項第5号道路は、次の3つのカテゴリーに分けられます。

  • 建築基準法に準拠して構築された私道で、都市区によって道路として指定されたもの。これを一般的に「位置指定道路」と呼びます。
  • 建築基準法の実施前に公共機関が公告により指定した道路。これは「告示建築線」と呼ばれます。
  • 建築基準法の実施前に個人や団体が申請し、公共機関が指定した道路。この中で、先の「告示建築線」を除くものを指します。これは「指定建築線」と呼ばれています。

「位置指定道路」とは

「位置指定道路」とは、建築基準法の基準に基づき築造された私道で、行政庁が道路としてその位置を指定したものを指します。これは、昭和25年11月23日に施行された建築基準法が適用されてから指定されたもので、その位置やその他の詳細は建築部の窓口で証明書を取得することで確認可能です。

多くは私道で、建築計画が提出されているにもかかわらず実際には築造されていない、あるいは築造されても計画されていた幅や長さが実現されていない場合が多いです。このような不完全な位置指定道路に接する敷地で建築を計画する場合には、関連する権利者が道路の位置を確認する必要があります。

さらに、新たに位置指定道路の指定、変更、または取り消しを行う場合には、「建築基準法第42条第1項第5号の規定による位置指定道路等の基準」を満たさなければなりません。この基準は、第2項道路の変更や取り消しにも適用されます。

「告示建築線」とは

「告示建築線」とは、建築基準法が施行される前の昭和25年11月23日以前に、市街地建築物法(大正8年4月法律第37号)に基づいて行政機関(東京都では警視総監)が公告により指定した建築線のことを指します。指定される幅は尺貫法で24尺(7.272m)、18尺(5.454m)などと定められているものが多く見受けられます。建築基準法の付則第5項では、幅が4.0m以上の指定建築線は「建築基準法第42条第1項第五号に基づく道路の位置指定が存在するものとみなされる」と規定しており、その指定は現在にも引き継がれています。

私道だけでなく公道にも存在します。市区町村の公式ウェブサイトで公開されている指定道路図を見て、「法42条1項1号道路のラインと1項5号のラインが2本重なっている」など、微妙な表現が行われていることもあります。これらの指定は、当時の行政機関が都市の形成に必要と判断した場所に一律に設定されており、実際には道路の形状が全く存在しない場所にも指定が行われていることがあります。

「指定建築線」とは

「指定建築線」とは、同じく市街地建築物法第7条の特例に基づいて、個人や団体が申請し、行政機関が指定したものを指します。この指定は建築基準法の付則第5項により現在まで継続されています。告示建築線とは異なり、申請図面が存在するため、位置指定道路と同じように建築部の窓口で道路の位置等の証明書を取得することが可能です。

これらは現在の位置指定道路の一種の先駆けと言える存在で、実際には申請がなされていない、あるいは申請がなされたにもかかわらず計画された幅や延長が確保されずに築造された道路が多いという点で、位置指定道路と共通の特徴を持っています。そのため、このような指定建築線に接して建築を計画する際には、これらを不完全な位置指定道路と認識し、関係者が道路の位置を確認することが必要となります。

位置指定道路と私道の違い

位置指定道路と私道にはいくつかの違いがあります。

所有権:位置指定道路は、公共の利益を目的として設けられたものであり、基本的には都市計画に基づく公共の道路です。したがって、これらの道路の所有権は一般に公共にあります。それに対して、私道は個人または法人が所有し、管理するもので、所有者が通行をコントロールします。

制限と規制:位置指定道路は、公共の利益を保護するために特定の建築活動や土地利用が制限されます。一方、私道では所有者が道路の管理と使用をコントロールしますが、一定の公益性や通行の必要性がある場合には法律的な規制が存在します。

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